GNSS測量
GNSS測量では、コントローラーは移動局または基準局のGNSS受信機に接続されます。接続できるGNSS受信機の一覧は、サポートされている機器をご参照ください。
GNSS受信機を用いて測定を完了するための手順は以下の通りです:
- 測量スタイルを設定します。
- 自前の基準局を設定する場合、基準局の測量器械を設定し、基準局測量を開始します。
- 移動局受信機の機器をセットアップします。
- 移動局測量を開始します。
- 全世界座標をローカルグリッド座標(NEE)に変換する必要があるときは、現場キャリブレーションを実行します。
- ポイントを測定または杭打ちします。
- 測量を終了する。

Trimble Accessで行うすべての測量は「測量スタイル」に管理されます。測量スタイルは、機器の設定と通信、およびポイントの測定と杭打ちのパラメータを定義します。設定内容はすべてまとめてテンプレートとして保存され、測量時に毎回使用されます。
実際に使用されるGNSS測量タイプは、使用可能な機器、フィールドの状態、求められる結果に依存します。
Trimble Accessは、既定でRTKとRTX(SV)の二つのGNSS 測量スタイルを提供します。
既定の測量スタイルは、ソフトウェアの新規インストールが開始されたときにTrimble Accessによって作成されますが、これは既存の測量スタイルが存在しない場合に限ります。
測量を開始する際、Trimble Accessソフトウェアが測量スタイル内の設定をチェックし、接続先の機器に対して正しく設定されているかどうか確認します。例えば、測量スタイルでGLONASSが有効になっていると、接続されているGNSS受信機またはアンテナがGLONASSに対応しているかどうかもチェックします。Trimble Accessソフトウェアは、適切でない設定を検出した場合、またはある測量スタイルで今までにチェックされたことのない設定を検出した場合は、ユーザーに設定の確認または訂正を行うよう促すプロンプトが表示されます。変更された設定は、その測量スタイルに保存されます。

初期設定のGNSS測量スタイルは、RTK(リアルタイムキネマティック)です。 リアルタイムキネマティック測量では、 データリンク を使用し、基準局から移動局へ観測または修正内容を送信します。次に移動局は、リアルタイムでその位置を計算します。RTK測量スタイルの設定の際は、データリンクオプション画面内で必要なデータリンクタイプを選択します。

ネットワークRTK 測量は、ネットワークRTK システムを使用して移動局に補正を送信する特殊な種類のRTK測量です。ネットワークRTKシステムは、GNSS誤差補正情報を計算するために広域に渡ってコントロールセンターと通信する基準局の配置網で構成されています。リアルタイム補正データは、ネットワークエリア内で無線機やセルラー式モデムによって移動局受信機に送信されます。システムは、基準局データのシステムエラーを大幅に減少させることで、その信頼性と作業範囲を改善します。これによって、オンザフライ(OTF)初期化時間を改善しながら、移動局受信機と実際の基準局との距離を増加することができます。
RTK測量スタイルの設定の際は、移動局オプション画面内で必要な放送フォーマットを選択します。Trimble Accessは、以下のネットワークRTK解から放送フォーマットをサポートします:
- FKP (RTCM)
- VRS
- RTCM3Net
VRSネットワークで最も近い実在基準局(PBS)にVRSベクトルを保存するには、VRSシステムがPBS情報を出力できるように設定されている必要があります。 VRSシステムがPBSデータを出力しない場合には、VRSデータをポジションとして保存する必要があります。
VRSシステムで無線機を使用している場合には、双方向無線機を選択しなければなりません。Trimble450MHzや900MHz内蔵無線機は使用できません。

QZSS CLAS測量は、QZSS CLASS PPP-RTKサービスからQZSS L6D信号の補正情報を受信します。測量スタイルは、サポートされている衛星群を有効にするため、これらを変更することはできません。開始後、測量の位置はRTX測量と同様に、センチメートル単位の解に収束します。

RTX(SV)GNSS 測量は、衛星を介してTrimble Centerpoint® RTX補正サービスからセンチメートルレベルの位置情報を受信します。
必要に応じて、測量スタイルを編集して追跡する衛星群を変更することができます。

以下の測量タイプから1つ選んで使用するには、ユーザー自身で測量スタイルを作成しなければなりません。
- FastStatic – 生GNSSデータを収集するため、最高20分の作業を伴う後処理タイプの測量。データの後処理により、誤差1センチメートル以下の精度を実現します。
- 後処理キネマティック – 後処理キネマティック測量は、生のストップアンドゴー(少し進んでは止まる)の、および継続的な観測を保存します。データは、センチメートル単位の精度を実現するため後処理されます。
- リアルタイム・キネマティック&インフィル – 基準局ステーションとの無線コンタクトが失われた場合に、キネマティック測量の継続を可能にします。インフィル(充填)データは、後処理される必要があります。
- リアルタイム・キネマティック&データロギング – RTK測量中に生GNSSデータを記録します。生データは、必要に応じ、後になってからの後処理が可能です。
- リアルタイム・ディファレンシャル測量 – 陸地に拠点を置いた受信機からや、SBASまたはOmniSTAR衛星から送信された差分修正情報を使用し、移動局における1メートル以下の位置確認を実現します。